海外「こんな経営者はめったにいない」岩田聡氏が語った“解雇と創造性”の考え方が再び注目
2013年の任天堂株主総会で、当時の岩田聡社長は人員削減について「短期的には財務上の成果が出るかもしれないが、解雇を恐れる社員が世界中の人々を驚かせるソフトを作れるとは思わない」と語りました。
それから13年後の2026年7月、この発言が海外ゲームメディアで改めて紹介され、複数のRedditコミュニティで議論されています。背景にあるのは、現在のテクノロジー・ゲーム業界で相次いでいる大規模なレイオフです。
コメント欄には、実際に人員削減を経験した人々から「士気が戻らず誰もが萎縮した」「社内知識が失われた」といった痛切な体験談が寄せられ、長期的な視点を持つ経営論として再評価する声が集まっています。
岩田聡氏が2013年に語った人員削減と社員の士気に関する考え方が再紹介され、現在のゲーム・テクノロジー業界で相次ぐ大量解雇と重ねて議論されている。コメント欄には、解雇を経験した人々の体験談や、長期雇用と創造性、技術継承の関係を評価する声が寄せられた。
海外の反応
表計算上の数字だけを見るのではなく、一つの判断が全体へ及ぼす影響まで考える。これが批判的思考というものだ。
突然解雇されない会社なら、仕事に打ち込み、普段以上に努力しようという気持ちにもなりやすい。「会社への忠誠は双方向だ」とよく言うが、本当に会社が社員へ忠誠を示すなら、こちらもそれに応えようとするのが自然だと思う。
実際の解雇だけではない。不安や疑念を広げ、雇用が保証されていない状態を作るだけでも、価値ある社員が競合他社へ引き抜かれていく。
私はゲーム開発者ではなく研究開発職だが、6年間で二度解雇された。毎回すぐに次の仕事は見つかったものの、今では雇用主を心から信頼し、繁忙期に普段以上の努力をすることが難しくなった。
私の経験では、解雇後に士気は完全には戻らず、誰もが非常に慎重になった。社員は目立たないように振る舞い、経営陣の判断へ異議を唱えず、良い印象を与えることばかり考えるようになる。
2か月前にマーケティングチームの60%が解雇され、さらに削減される可能性も示された。残った社員は上司を満足させる最低限の仕事をしながら転職先を探している。企画は延期・中止され、成果物の品質も落ちたが、財務諸表だけは改善した。
最近の人員削減でひどく燃え尽き、おそらく以前の半分ほどしか成果を出せなくなった。会社は膨大な社内知識と社員の忠誠心を失った。15年以上解雇をしてこなかった会社だっただけに、その影響は大きい。
会社を離れられる人は皆、離れていく。その結果、仕事が回らなくなり、さらに解雇が増える。
任天堂ファンからも尊敬されていた。高い地位にいる経営者の名前を聞いて、好意的な気持ちになることは滅多にない。彼の訃報を知った朝のことは忘れられない。
レジー・フィサメィ氏の本を読むと、岩田氏はかなり慎重な経営者に見える。しかし、その慎重さは任天堂の社員と会社そのものを守るためだったことが分かる。もっと多くの経営者が彼のようであればと思う。
社員を絶えず入れ替え、同じ道を何度も歩き直すより、世代を超えた才能を育て、その人材が次の世代を育成する方が重要なのだと思う。
日本と欧米の法制度の違いから、岩田氏たちは簡単に開発者を解雇できなかっただけだと指摘する人もいる。しかし、それでこの言葉の賢明さが失われるわけではない。法的な制約の有無にかかわらず、内容自体は正しい。
彼が尊敬されていたのは間違いない。私が好きな言葉は、「名刺の上では社長、頭の中ではゲーム開発者、心の中ではゲーマー」だ。
岩田氏の発言が単なる理想論ではなく、解雇後の士気低下や萎縮、社内知識の喪失を経験した人々の痛切な声によって、現在も極めて現実的な経営論として受け止められている点が印象的でした。目先の数字だけでは測れない「組織の創造性」について、深く考えさせられる議論です。