セカミタ
アニメ・ゲーム

任天堂の主要役員4人、報酬は合計約9億円 海外「むしろ米国企業が高すぎる」

2026-07-15
PHOTO ▸ 京都市にある任天堂本社の建物 (Photo: Insightwm / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0))
今回の編集部チャット
ミタ兄27歳・企画・論点整理担当
セカ姉27歳・調査・検証担当
編集長42歳・編集長
ミタ兄

任天堂、また過去最高益だってね。スイッチ2も好調みたいだし。

セカ姉

業績はいいみたいね。それで、役員報酬はどうなっているのか気になって調べてみたの。

ミタ兄

気になるところだね。それで、いくらだったの?

セカ姉

4人合わせて9億1400万円。

ミタ兄

へえ。多いような、そうでもないような……ちょっとピンとこないな。

セカ姉

私も最初はそう思ったの。でも海外の反応を見ていたら、受け止め方がかなり違っていて。

ミタ兄

違うって、どんなふうに?

セカ姉

任天堂ほどの規模の企業にしては、むしろ低すぎるんじゃないかという声が結構あったのよね。

ミタ兄

低すぎる、か。庶民の感覚ではついていけない次元の話だ。

編集長

では、開示されている内容を押さえてから、海外での反応を順に見ていこう。

任天堂のAnnual Report 2026には、個別報酬が1億円以上として開示された主要役員4名の金額が掲載されています。4名の役員報酬は合計9億1400万円で、報告書記載の便宜的な換算レート、1ドル159円に基づくと約573万ドルです。

対象は古川俊太郎氏、宮本茂氏、高橋伸也氏、柴田聡氏です。開示額は単純な基本給や「年収」ではなく、固定報酬、業績連動報酬、譲渡制限付株式報酬などを含む役員報酬で、高橋氏と柴田氏には別途、従業員給与が支給されています。

役員報酬の見方と従業員データ

海外掲示板のRedditでは投稿タイトルにおいて「トップ4人の年収(yearly salary)」と表現されましたが、有価証券報告書およびAnnual Reportで開示されているのは公式には「個別報酬が1億円以上として開示された4名」の金額です。また、高橋氏と柴田氏には役員としての報酬とは別に従業員給与が存在するなど、日本の報酬制度と欧米のCEO年俸を単純に比較することはできません。

コメント欄では、Wii Uが振るわなかった時期に経営陣が役員報酬を削減したことや、岩田聡前社長が短期的な業績改善を目的とする人員削減に慎重な考えを示していたことも話題になりました。任天堂は2026年6月の株主総会Q&Aで、同年4月に初任給を含む従業員報酬を再度引き上げたと説明しています。

任天堂のSustainability Data Sheet(2026年データ)によると、国内の従業員に関する指標は以下のようになっています。

任天堂の従業員に関する主なデータ(Sustainability Data Sheet 2026)

  • 離職率:2.3%
  • 平均勤続年数:14.6年
  • 新規採用者数:168人
  • 従業員数(正社員):3,084人
  • 育児休業取得者数:78人
  • 育児休業取得率:86.7%
  • 育児休業復職率:100.0%
  • 有給休暇取得率:85.8%

※報告対象期間は2025年4月〜2026年3月で、任天堂(日本)の数値です。新規採用者数と平均勤続年数は正社員が対象、有給休暇取得率は正社員と契約社員が対象です。育児休業取得率は、同年度中に子が生まれた社員数に対する新規取得者数の割合です。指標ごとに対象・定義が異なります。

海外の反応

12件のコメント|海外掲示板より翻訳

任天堂としては低い? まずは金額への驚き

正直、任天堂ほど成功している企業としては、かなり低い報酬だと思う。
むしろ、かなり妥当な金額じゃない?
宮本茂氏の報酬が約154万ドルというのは、ゲーム業界への貢献を考えると、かなり低く感じるよ。

比較の物差しは米国か、日本の物価か

ソニーのCEOは2025年に約1600万~1700万ドルを受け取ったと思う。ただ、ソニーはPlayStation以外の事業も手がけているから、単純には比較できないけどね。
米国のCEOは平均的に見て、他国のCEOよりはるかに多くの報酬を受け取っていると思う。先進国の中で比べても、米国の富の格差は群を抜いて大きい印象があるよ。
日本は全体的に給与水準が低い。ただ、生活費も米国や物価の高い一部の欧州諸国ほど高くはない。
原文

Japan salaries are just lower across the board. Their cost of living is not as crazy as the US's and some of the more expensive European countries.

このコメントの英語表現を解説 →
米ドルは円より強いし、日本では同じ金額でも使いでがあることを考える必要がある。

役員報酬から企業文化へ広がる議論

任天堂は、自社の社員を大切にする企業として知られている。経営が苦しい時には上層部の報酬を減らしたこともあるし、欧米の一部CEOが受け取る金額と比べれば、これは冗談のような額だ。この4人が会社にもたらしてきた価値を考えると、かなり低く感じる。
彼らは岩田氏と近い距離で仕事をしてきた。岩田氏は、失敗を理由に開発者を解雇すべきではないと考える、謙虚で魅力的な人物だった。Wii Uが振るわなかった時には、社員を解雇する代わりに経営陣が報酬を減らした。岩田氏の考え方は、今も任天堂の企業文化に影響を残しているのだと思う。
『あつまれ どうぶつの森』では、過度な長時間労働を避けることを理由の一つとして発売を数か月延期したこともある。発売を遅らせたり、必要に応じて契約スタッフの力を借りたりして、強制的な残業を避けようとする会社だ。消費者への対応で批判される部分はあっても、社員はかなり大切にしているように見える。

「任天堂が低い」のか「米国が高すぎる」のか

米国のCEOが受け取る金額を知っていると、業界のレジェンドである宮本氏が約154万ドルというのは、あまりに低く感じる。それだけ、こちらのCEO報酬が高すぎるということだと思う。
CEOが年間約200万ドルを受け取っているのを見て、それでも「低い」と感じる世界の方がおかしい。むしろ、それくらいを上限にしてもいいのでは。
ひとこと英語:across the board
↑ 元のコメントを見る
直訳
盤面全体にわたって
今回の意味
全体的に/一律に
解説
個別の例だけでなく、ある範囲の全体に同じ傾向が当てはまることを表す。今回は、日本の給与水準が全体的に低いという意味。
使用例
The company raised salaries across the board.(その会社は全社員の給与を一律に引き上げた)

編集部のデータ帳

個別報酬が開示された任天堂主要役員4名

個別報酬が開示された任天堂主要役員4名
役員役員報酬
古川俊太郎氏代表取締役社長3億1800万円(約200万ドル)
宮本茂氏代表取締役フェロー2億4600万円(約154万ドル)
高橋伸也氏別途、従業員給与5000万円1億8600万円(約116万ドル)
柴田聡氏別途、従業員給与3000万円1億6400万円(約103万ドル)
4名の合計9億1400万円(約573万ドル)

対象期間: 2026年3月期

定義: 個別報酬が1億円以上として開示された取締役4名の役員報酬。固定報酬、業績連動報酬、譲渡制限付株式報酬などを含みます。ドル換算は報告書記載の便宜的な換算レート、1ドル159円に基づきます。

出典: Nintendo Co., Ltd.「Annual Report 2026」

ミタ兄

議論の後半になると、任天堂の金額そのものより、むしろ米国のCEO報酬への違和感の方が話の中心になっていたね。

セカ姉

そうね。為替や生活費の違いはもちろんだけど、固定報酬や業績連動、株式報酬といった制度の組み立て方も国によって違うから、単純には比べられないのよね。

ミタ兄

じゃあ、役員報酬が比較的低いことを、社員を大切にする企業文化の表れだと受け取ってもいいのかな。

セカ姉

それだけで言い切るのは難しいわね。ただ、離職率や平均勤続年数といった別の指標と結びつけて受け止めた人がいたのは、分かる気がするの。

編集長

開示資料で確認できるのは、あくまで報酬の内訳や従業員に関する数字だ。そこから企業文化をどう評価するかは、海外ユーザー側の解釈ということになる。

ミタ兄

なるほど。任天堂の美談にして終わらせるより、経営者の報酬はどこまでが妥当なのか——それを考えるきっかけになった議論だったわけか。

セカ姉

比較の条件をそろえたとしても、適正な水準はここだ、という答えが一つに決まるとは限らないものね。

編集長

そうだな。確認できる事実と、そこから先の評価を分けたうえで、議論がどう広がったかを見ることが大切だ。

編集長の総括

このスレッドで「低い」と評価されたのは絶対額が小さいからではなく、主に米国の大企業経営者が受け取る報酬との比較が前提にありました。ただし、円ドルの為替や生活費だけでなく、固定報酬、業績連動報酬、株式報酬など制度の組み立ても異なるため、金額だけを並べた単純比較には限界があります。また、役員報酬が比較的低いことだけで、社員を重視する企業文化を証明することもできません。それでも海外ユーザーの多くが、過去の役員報酬削減や離職率、平均勤続年数といった別の情報を結び付けて任天堂の経営姿勢を評価した点は、この議論の特徴です。結果として、話題は任天堂の報酬額から、経営者報酬の適正な水準そのものを問う方向へ広がりました。