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テクノロジー

「地球は宇宙で最も特別」元JAXA宇宙飛行士・山崎直子氏のReddit AMAに海外から質問相次ぐ

2026-07-07
PHOTO ▸ 宇宙から見た青い地球と軌道上の宇宙機 (Photo by NASA on Unsplash)

Redditの宇宙コミュニティ「r/space」で、元JAXA宇宙飛行士の山崎直子さんがAMA(Ask Me Anything)を実施しました。山崎さんは2010年にスペースシャトル「ディスカバリー」で宇宙へ向かい、国際宇宙ステーションで任務に就いた経験を持ちます。

スレッドには、宇宙から見た地球、JAXAでの11年間の訓練、日本実験棟「きぼう」、月面探査、国際協力、地球への帰還後の感覚などについて質問が寄せられました。この記事では、ユーザーの質問と山崎さん本人の回答をQ&Aの順番のまま紹介します。

今回の編集部チャット
セカ姉27歳・調査・検証担当
セカ君18歳・大学1年生
編集長42歳・編集長
セカ姉

地球を外から見た経験と、11年の訓練で得た答えが同じ場所に並ぶAMAなんだね。

セカ君

宇宙での感覚だけでなく、国際協力や気候変動、STEM分野の役割まで質問が広がっています。

編集長

今回は一般ユーザーの感想ではなく、質問と山崎さん本人の回答を対で掲載している。

セカ姉

月へ向かう期待も、帰還後に重力へ戻る苦労も、数字を交えて話しているのが具体的だ。

セカ君

アニメやSFが進路に与えた影響まで聞けるのは、公開質疑ならではですね。

編集長

回答の範囲を越えて補わず、宇宙から地上へつながる十二の問答を読んでいこう。

海外の反応

12件のコメント|海外掲示板より翻訳

宇宙から見た地球と、11年の訓練

質問: 宇宙から地球を見た後、一般の人が本当に変化をもたらすために取り入れるべき考え方や習慣は何ですか? また、地上にいる人々が気づかない、宇宙から見た地球で最も驚いたことは何でしたか? 山崎直子氏の回答: 宇宙に行く前は、宇宙そのものが素晴らしいと思っていました。 でも実際に行ってみると、広大な宇宙の中で地球が最も特別な存在に見えたんです。 それ以来、地球をより大切に思うようになりました。
質問: JAXAでの時間はどうでしたか? ミッションは何回行いましたか? 訓練プログラムはどのようなものでしたか? 宇宙に到達して驚いたことはありましたか? 山崎直子氏の回答: ISSへのミッションは1回です。 JAXAでは世界中の同僚と働くことができ、とても充実した時間でした。 宇宙に行くまでの訓練期間は11年間で、主にヒューストンで、ほかにカナダ、ドイツ、日本、ロシアでも訓練を行いました。 微小重力に人が驚くほどうまく適応できることに驚きましたね。

月面への期待と『きぼう』開発の仕事

質問: JAXAの宇宙飛行士が月面に降り立つのを見られるのは、いつ頃になると思いますか? JAXAはArtemis計画の重要なパートナーですし、あの月面探査車が月を走るのを見るのが楽しみです! 山崎直子氏の回答: この10年以内にJAXA宇宙飛行士が月に行く姿を見たいと期待しています。 さまざまな国からさらに多くの人が続くでしょう。 Artemis計画では国際協力が鍵になります。
質問: (※Redditには日本語での質問も寄せられました) 山崎さんは開発初期からシステム統合や故障解析に携わっておられましたが、実際に軌道上で運用されているISS日本実験棟「きぼう」を目にしたときの、エンジニアとしての感慨はいかがでしたか? 山崎直子氏の回答: エンジニアとして開発に関わったISS日本実験棟が、実際に宇宙でしっかり稼働している場面に立ち会えたことは、とても感慨深かったです。 こうしたバトンをしっかり次につなげていきたいと思います。

危機対応と、上下のない感覚

質問: ミッション中に危機や怖い出来事はありましたか? また、宇宙での最高の思い出は何ですか? 一生心に残るエピソードを教えてください。 山崎直子氏の回答: 幸い深刻な危機はありませんでしたが、ミッションでは予期せぬトラブルが起こるものです。 私のミッションではISSへの接近・ドッキングに使うレーダーが故障し、星追跡装置で対応しました。 宇宙で初めて青く輝く地球を頭上に見た瞬間は非常に印象的で、微小重力では絶対的な上下がないと実感しました。 宇宙は遠い場所ではなく、故郷のように感じられました。

『宇宙兄弟』とSFがくれた進路

質問: 「宇宙兄弟」というアニメを知っていますか? 私がJAXAの名前を初めて知ったきっかけの一つがこの作品です。面白くて魅力的な職場のように感じました。 山崎直子氏の回答: はい、「宇宙兄弟」は私のお気に入りのアニメの一つです。 楽しんでくださっていると聞いて嬉しいです。宇宙はあなたを待っていますよ!
質問: 宇宙飛行士を目指すきっかけとなったインスピレーションの源は何ですか? 山崎直子氏の回答: 「Star Wars」のようなSF映画や、「銀河鉄道999」のようなアニメに影響を受けました。 また、NASAのVoyagerミッションやCarl Saganの「Cosmos」シリーズも大きなインスピレーションになりました。

国際協力とSTEMのロールモデル

質問: 世界が気候変動問題で一つにまとまるのは難しいと感じますが、ISS自体が国際協力の証ですよね。 多国間プログラムに参加された経験から、気候変動対策で世界が本当に協力するには何が必要だと思いますか? 山崎直子氏の回答: 軌道上から見ると、地球は一つの共有されたシステムだとわかります。 ISSが機能しているのは、すべての参加者が共通の目標に取り組んでいるからです。 気候変動対策にも同じことが必要で、目標を共有し、透明性を保ち、インセンティブを一致させることが大切です。
原文

Hi! From orbit, you see one shared system. The International Space Station (ISS) works because all the parties commit to a common goal. Climate action needs the same. We can share targets, maintain transparency, and align incentives.

このコメントの英語表現を解説 →
質問: 宇宙飛行士として体験したユニークなエピソードはありますか? また、STEM分野で働き、興味を持つ女性を増やすにはどうすべきだと思いますか? 山崎直子氏の回答: 宇宙飛行士としてのユニークな経験は、さまざまな文化や国を越えてチームで働くこと、そして私たちの故郷である地球を遠くから眺めることです。 女性のSTEM参画については、多様なロールモデルを知り、ネットワークを広げることが後押しになると思います。 私自身も、先駆者たちに励まされてきました。

地球の重力へ戻るまでと、打ち上げ時の心境

質問: 地球に戻った後、船酔いのようなバランス感覚の乱れ(sea legs)など、地球の重力に適応する苦労はありましたか? 山崎直子氏の回答: 興味深いことに、宇宙の微小重力に慣れるよりも、地球に戻ってから重力に再適応する方が時間がかかります。 宇宙へ行く場合は通常1〜3日で慣れますが、数ヶ月宇宙で過ごした後に帰還すると、特に平衡感覚の回復に最大45日かかることもあります。
質問: 打ち上げの瞬間はどれくらい「怖い」ものですか? 長年の訓練を経た後は、最初に想像していたより落ち着いていましたか? 山崎直子氏の回答: 11年間の訓練を経ていたので、恐怖はありませんでした。 冷静に集中でき、チームと家族にとても感謝していました。 想像よりも快適で、宇宙船が自分の家のように感じられました。

低軌道を持続可能な生活圏にする構想

質問: 人類の低軌道での理想的な未来をどのように描きますか? 持続可能性はどのような役割を果たすべきですか? 山崎直子氏の回答: 人類の未来は、ともに境界を広げていくものだと考えています。 低軌道では、より高度な水のリサイクル、空気の再生、食料・廃棄物管理、インフラ構築など、持続可能なエコシステムが期待されます。 持続可能性は宇宙でも地上でも不可欠です。
ひとこと英語:common goal
↑ 元のコメントを見る
直訳
共通の目標
今回の意味
立場の異なる人々が一緒に目指す目標
解説
組織や国を越えた協力の土台を表す基本表現です。回答では、ISSの参加者を結び付ける条件として使われています。
使用例
The teams worked toward a common goal.(各チームは共通の目標に向かって協力した)

編集部のデータ帳

AMA回答に出てきた、山崎直子さんの宇宙経験

AMA回答に出てきた、山崎直子さんの宇宙経験
項目本人の回答
宇宙滞在15日間
ISSミッション1回
訓練期間11年間
訓練地米国、カナダ、ドイツ、日本、ロシア
帰還後の再適応通常1〜2日、長期滞在では最大45日との回答
月面への期待今後10年以内にJAXA宇宙飛行士が降り立つことを期待

対象期間: 2026年7月のAMA時点

定義: 掲載した質疑応答で山崎さん本人が示した期間・回数・経験を整理したものです。

出典: 山崎直子さんのReddit AMA回答

セカ君

宇宙から見た地球は、広大な宇宙の中で最も特別な存在に見えたという答えが残りました。

セカ姉

その視点が、ISSの協力や地球環境の話へ自然につながっている。

編集長

一方、月面計画の時期や低軌道の将来像は、本人が語った期待と構想だ。確定した日程とは分けたい。

セカ君

11年の訓練や帰還後の再適応を知ると、15日間のミッションの前後まで見えてきます。

セカ姉

作品から受けた刺激やロールモデルの大切さも、次の世代が宇宙へ向かう道の一部なんだね。

編集長

専門的な経験を日常の言葉で共有したこと自体が、このAMAの大きな価値だ。

編集長の総括

このAMAでは、地球を外から見た感覚、11年間の訓練、ISSでの仕事、帰還後の再適応が一続きの経験として語られています。『地球が最も特別に見えた』という答えは印象的ですが、それだけで終わらず、ISSが共通目標によって機能していることを気候変動対策へつなげた点が重要です。月面着陸の時期や低軌道の持続可能な生活圏については、山崎さん自身の期待や将来像として語られたもので、確定した計画日程ではありません。また、帰還後の回復期間も宇宙滞在の長さによって異なるという説明でした。『宇宙兄弟』やSFの影響、女性や若者のロールモデルに触れた回答まで含めると、宇宙開発は機体や訓練だけでなく、協力の設計と次世代への入口づくりから成り立つことが見えてきます。